博多の地で下着を製造販売し続けて25年。ある日、ハンデを背負う一人の女性との出会いをきっかけに「体が不自由でも一人で着れる下着」「幸せになる下着」を作ろう!と思い立ちました。女性としての喜びを忘れない、その思いを下着に託しつつ我が人生も彩りたい、そんな日々を綴ります。

2011年12月24日

小さなものがたり

その ”酔っ払い君” のお叫びは 遠くから聞こえていました。

歳の暮れということもあり
繁華街の大通りは 深夜でも まだまだタクシーなどが走っており
   急ぎ足で家路に向かう 複数の足音が 寒々と重なっていました。

大通りの向こう側で ”酔っ払い君”は お連れの男性にようよう支えられ
   ご自分の「思い」とは 逆の方向に動いてしまう自分の身体を
     どうにも出来ないでいる様子です。
さっきからずっと長いこと お連れさんは ほとほと手を焼いていて
   かといって ここで放り出して帰るわけにもいきません。

     「ドス~ン。。。」
     いよいよ 崩れ落ちました!

     そのとき! 

     いっぱいいっぱいの堪忍袋が プチ~ンと 音を立てて切れたのです!

スルっと その手を振り払い 知らん顔してそのまんま 
     お連れの彼は 歩を進めたのであります。



     「解るわよ あなたの気持ち!」

通りの向こうとこちらですが 何だか気になります。

     「どうするだろう?」   

およそ200Mほどは歩いたでしょうか 信号を一つ渡ったあたりで
   彼は突然 立ち止まったのです。

くるっときびすを返し 背筋をピンと伸ばしたあと 今来た道を   
   あの 寝転がっている ”酔っ払い君”のところへまっすぐに
      大股で歩いていきました。



     「あなたは素敵です!」


  icon151icon152  深夜の繁華街の 小さなものがたりでございました。  icon151icon152







Posted by 石津純江 at 01:21│Comments(0)
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