博多の地で下着を製造販売し続けて25年。ある日、ハンデを背負う一人の女性との出会いをきっかけに「体が不自由でも一人で着れる下着」「幸せになる下着」を作ろう!と思い立ちました。女性としての喜びを忘れない、その思いを下着に託しつつ我が人生も彩りたい、そんな日々を綴ります。

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2007年06月08日

船乗り込み

先日 博多座の今月の歌舞伎を前にして
中洲店ランジェリーハウスセシルの前を流れる 博多川で 
船乗り込み」がありました。

ご存知のように 歌舞伎の出演メンバーが10数隻の舟に乗り
     華やかにパレードするのです。

私の母は毎回 これを楽しみにしていて 
歩行が困難になった今でも
早めに準備をし 歩行車(?)を押して行っては 橋の上から楽しみます。


このたびは 博多座の「十二夜」のため 菊五郎、菊之助に加え
NHK「風林火山」の 武田信玄役 市川亀冶郎 も参加していました。

ちょっと小さなご縁があって 亀冶郎さんにお目にかかったことがあり
母にとっては もう 特別な思いがあったことと想像します。

舟がやってくると ようよう立ち上がって欄干をつかみ
澤瀉屋あっ !」 「亀冶郎さ~ん!」 と大声で叫んだようです。

それを隣で見ていた ご婦人が
「もしよかったら 写真を送ってあげましょう」と 住所を訊ねられたとのこと。
付き添っていた者とも相談し すぐに住所をお伝えしたのです。

数日たって 「ピンボケですが。。。」 と
あの時撮った 亀冶郎さんのスナップが数枚送られてきました。
式典の最中に チャンスを探しながら 一生懸命撮られたもののようです。

封筒の裏には フルネームはあるものの 住所は城南区までしかありません。

便箋3枚にわたり 女性らしい美しい文字でお手紙が添えられていました。

あなたのお姿に 元気を頂きました。 感謝しています。
      いつか 博多座ででも お逢いできるといいですね。


母は なんとかお礼を申し上げたいと願うのですが
私は この方のお気持ちがあまりに美しく
  そっと頂いておくことこそお礼であるような気がしました。

母は 「どこかでお逢いできたらいいね。」 と
  大切に大切に日記に挟んだのです。


日々のニュースに 切ない思いのこのごろ
 プライバシーなどと硬いこと無しに
このようなやり取りが 通用することが なんだか嬉しい気持ちになりました。

※読売新聞に掲載された「船乗り込み」の様子はコチラ  


Posted by 石津純江 at 13:41Comments(0)