博多の地で下着を製造販売し続けて25年。ある日、ハンデを背負う一人の女性との出会いをきっかけに「体が不自由でも一人で着れる下着」「幸せになる下着」を作ろう!と思い立ちました。女性としての喜びを忘れない、その思いを下着に託しつつ我が人生も彩りたい、そんな日々を綴ります。

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2012年07月03日

優しさはそっと

銀行のATMの前には 
   順番を待つための青いロープ
   ぐるぐると 蛇行するようにセットされていました。

時々 迷路のように感じることもありますよね。

私は1人の女性の次に 順番を待っていたんです。

ふと 私たちの列の外側に よろよろと
      一歩また一歩 あまりにもゆっくりと
      老夫婦が二人で支えあうように そおっと 歩み寄ったんです。

通帳に記帳する方の機械に ご用があるのかな?と
     何となく そう感じていました。
   

さて 私の前に並んでいた女性の番。

彼女がATMに進み出る そのとき 

老夫婦が二人で一列になって お洋服を掴みながら 
    その空いたATMに ゆっくり ゆっくり向ってきます。
    一冊の通帳が おじいさんの手にありました。


女性はハッと立ち止まり 静かに一歩引き下がって そっと順番を譲りました。

ご夫婦の方は このことに気付いてない様子。


すぐに次の順番が来たので
    私は  どうぞどうぞ  と 彼女に目で伝えました。
    今度は私が 引き下がる番です。

ところが そのひとは とびきりの笑顔で このうえもない優しい目を細めて
    私の耳元に ささやきました。


     わたし 急がないから。。。


満たされたような 微笑みを湛えて 
    そのひとは 私の後にまた並んだのです。


      こんなひとのことを  美人  というんだと
        帰り道 何度もそう思いました。
 


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Posted by 石津純江 at 01:47Comments(0)