100円のしあわせ
「コスモスがいっぱい咲いているよ」
友人からの情報を得て 日曜日に見に行ってみたのです。
福岡の東の方 福岡インターの近くには
高速道路が勝手横暴な曲線を描く そのわずかな隙間に
変形を余儀なくされた田んぼが 尚もたくましく拡がっています。
教えてもらったように進むと その
<コスモス畑>は 突然目の前に現れました。
その辺りの田んぼがみんな
コスモスを植えているから
眼が届く範囲一帯に白から濃いピンクまで 濃淡の
コスモスでいっぱいなのです。
春を迎える前に 農家のみなさんから
道行く私たちへプレゼントされたように感じました。
人々は畦道に車を駐めては三々五々
感動しあったり お互いに写真を撮りあったりしています。
その畦道に 使い込んだ古~い木の樽が置いてあり
新聞紙にくるんだコスモスが10本くらい立っているのに気が付きました。
素朴な筆跡で
「100円 樽の中に」 と書いてあります。
100円では申し訳ないほどの
コスモスがいっぱいにギューと巻いてあります。
これは是非おすそ分けしなければと
数束かかえてその足で 近くの友人に配りました。
季節のおすそ分けは お値段ではありません。
その夜 我家はパッと華やかになりましたが
皆も同じように感じたみたいで
「薄ピンクのガラス製花瓶に
カミさんが挿してくれた」
そういって
カメラの上手な友人が
早速写真を送ってくれました。
わずか
100円の
コスモスが
私には あの
<ゴッホのひまわり>よりも
素晴らしい芸術作品に思えます。