100円のしあわせ

石津純江

2009年11月17日 18:02

「コスモスがいっぱい咲いているよ」 
     
友人からの情報を得て 日曜日に見に行ってみたのです。

福岡の東の方 福岡インターの近くには
高速道路が勝手横暴な曲線を描く そのわずかな隙間に
変形を余儀なくされた田んぼが 尚もたくましく拡がっています。

教えてもらったように進むと その<コスモス畑>は 突然目の前に現れました。
その辺りの田んぼがみんなコスモスを植えているから
眼が届く範囲一帯に白から濃いピンクまで 濃淡のコスモスでいっぱいなのです。
     春を迎える前に 農家のみなさんから
        道行く私たちへプレゼントされたように感じました。

人々は畦道に車を駐めては三々五々
   感動しあったり お互いに写真を撮りあったりしています。


その畦道に 使い込んだ古~い木の樽が置いてあり 
新聞紙にくるんだコスモスが10本くらい立っているのに気が付きました。
  素朴な筆跡で「100円 樽の中に」 と書いてあります。

100円では申し訳ないほどのコスモスがいっぱいにギューと巻いてあります。

これは是非おすそ分けしなければと
        数束かかえてその足で 近くの友人に配りました。
季節のおすそ分けは お値段ではありません。  

その夜 我家はパッと華やかになりましたが  

皆も同じように感じたみたいで   
   
「薄ピンクのガラス製花瓶に
   カミさんが挿してくれた」

そういって 
  カメラの上手な友人が
  早速写真を送ってくれました。



わずか100円コスモス

私には あの 
<ゴッホのひまわり>よりも
素晴らしい芸術作品に思えます。